DeployGate
セーフィー株式会社 Interview
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DeployGate Interview

セーフィー株式会社

企業情報

セーフィー株式会社

セーフィー株式会社
https://safie.co.jp/

事業内容
クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」の開発・運営および関連サービスの提供

ご利用中のプラン
DeployGate Flexible

本当に”大事なことに集中する”ために! セーフィーの自動化戦略と『DeployGate』の役割

「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げる、セーフィー株式会社。2014年10月に創立された同社は、クラウド録画サービス「Safie(セーフィー)」を提供し、クラウドモニタリング・録画市場で国内シェアトップの55.3%を獲得。小売・サービス業、建設業をはじめ、さまざまな業界で導入が進み、課金カメラ台数は30.6万台を突破しています。

そんな同社は、『DeployGate』のFlexibleプランを利用中。実は今、セーフィーのように、『DeployGate』を活用して開発環境を効率化しながら、本質的な業務やユーザーへの価値提供に集中する企業が増えています。

そこで今回は、セーフィー株式会社の皆様に、『DeployGate』の活用方法や開発プロセスを最適化しながら本質的な業務にフォーカスするための工夫について伺いました。

セーフィーの成長を支える、100名強のエンジニアチーム

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ー まずは皆さまの自己紹介からお願いします

渡部さん:アプリケーション開発部のモバイルグループに所属し、Androidチームの一員として活動しています。2020年9月にセーフィーへ入社し、それ以来、一貫してモバイルアプリの開発を担当してきました。現在は『Safie Viewer(セーフィー ビューアー)』の開発をメインに、同じチームでOEM商品の開発にも取り組んでいます。
前職ではiOSアプリの開発を担当していましたが、セーフィーでは会社の方針もあり、Androidアプリの開発に携わることになりました。初めての分野でしたが、これまでの知識を活かしながらスムーズに移行できたと思っています。

小山さん:2021年10月にセーフィーへ入社しました。入社後の約1年間はモバイルアプリのQAを務め、現在は、Safieのカメラ用の統合管理ツール『Safie Manager(セーフィー マネージャー)』やカメラ本体の品質保証に携わっています。
私たちの役割は、セーフィーとしてリリースするプロダクトにおけるソフトウェアを中心とした品質保証ですね。

池田さん:私は2016年に入社してから、主にフロントエンド開発を中心に取り組んできました。現在は、アプリケーション開発部にて部長を務めており、Webフロント・モバイル領域全般を管轄しています。

ー 開発本部の体制についてもお伺いしたいです

池田さん:2025年04月時点で、セーフィーには519名の社員が所属し、開発本部には130名強のエンジニアが在籍しています。
モバイルグループには、業務委託を含め9名程のエンジニアが所属しており、私を除く8名がiOSとAndroidに4名ずつ配属されています。開発においては、ユーザーシェアの多いiOSを優先するケースもありますが、Android端末を社用スマホとして貸与している企業も多いため、基本的には並行して進めています。
また、クオリティマネジメントオフィスには業務委託を含め16名程のエンジニアが在籍。そのうちモバイル開発担当チームは6名程で、社員が1〜2名、業務委託が3〜4名の体制です。主担当の社員1名が中心となり、フォローとしてもう1名の社員が加わる形で運営しています。

限られたリソースを活かすための最適解が『DeployGate』だった

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ー 現在はどのような体制で開発からリリースまで進められていますか?

渡部さん:現在の開発体制は、スクラム開発に近い形を採用し、役割ごとに明確に分担されています。
モバイル開発では、部長の池田さんがPOとして意思決定を担い、開発の方向性をリードしています。一方、プロダクト全体を統括するのはPdMです。この役割は他部署のメンバーが担っており、モバイルアプリ(iOS、Android)とWebブラウザアプリを兼任で統括しており、『Safie Viewer』に関連する細かい仕様やマニュアルの更新などは、PdMが主導しています。

小山さん:クオリティマネジメントオフィスからは、アプリケーションとカメラの開発に何らかの形で関わっており、1プロダクトに最低1名がQAとして参加しています。現在では、ほぼすべてのプロダクトでインプロセスQAとして開発に入り込む形で品質向上に取り組んでいます。
基本的に、メンバーは定期リリースのあるIoTデバイス系プロダクトや新規プロダクトを複数担当しており、通常は1人あたり2〜3プロジェクトを並行して進めています。人によっては、4〜5プロジェクトを掛け持ちすることもあります。

ー 特に、モバイルアプリの開発において、注力していることはありますか?

渡部さん:私たちのチームでは「顧客課題を解決するプロダクトをつくる」を目標に掲げ、主力製品である『Safie Viewer』の使いやすさ向上に注力しています。
特に、開発者視点だけでなく、現場が求めている機能をどのように実装するかが重要な課題だと思っていて。『Safie Viewer』には、Android・iOS・Webブラウザの3つの形態があるため、モバイルだからできることを追求している最中です。
また、長く提供している製品だからこそ、定期的なリファクタリングも欠かせません。新機能を開発しつつ、コードの可読性や保守性を高めることも怠らずにやっていく。これらを両立することが、チームとしての今の課題です。

ー なるほど。ちなみに、どのような背景で『DeployGate』の利用が進んだのでしょうか?

池田さん:『DeployGate』が本格的にセーフィーに導入されたのは2020年頃です。きっかけは、当時進めていたAndroidアプリの大規模リニューアルでした。先行テストの際、手動でAPKファイルなどを配布するのは負担が大きいとの声が上がり、『DeployGate』の導入が検討されることになりました。
実は『DeployGate』が候補に挙がった背景には、社内エンジニアの間ですでに利用されていたという経緯があります。
当時のセーフィーでは、iOSとAndroidの開発をエンジニア1人体制で行っていました。そのため、アプリの配布や検証作業の負担が大きく、App StoreやGoogle Playへの登録作業に割くリソースも限られていて。こうした状況の中、担当エンジニアの判断で利用されていたのが『DeployGate』でした。
すでに社内で活用されており、エンジニアの評価も高かったことから、大規模リニューアルのタイミングで『DeployGate』は正式に社内採用されました。

業務の自動化で、開発もQAもさらに効率的に

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ー 現在、『DeployGate』をどのように利用されていますか?

渡部さん:自社サービス『Safie Viewer』とOEM向けサービス『クラウドカメラビュー』の本番環境とステージング環境、計4つの環境で『DeployGate』を利用しています。
開発が進み、プルリクエストがマージされると、そのバージョンが自動で『DeployGate』にアップロードされ、4つの環境全てに配布される仕組みです。この自動化は、社内エンジニアが『DeployGate』のAPIを活用し、GitHub Actionsで実装しました。
運用面でも自動化を取り入れていて、Backlogのコメント欄に「DeployGateにAPKをアップロードしました。リビジョン番号は◎番です」と自動通知が投稿されるようになっています。
この連携によってプルリクエストとチケットが紐づくため、開発側がアナウンスしなくてもQA担当者が最新のリビジョンを把握できるようになりました。

ー それは良い活用方法ですね!

小山さん:DeployGateの方からそう言ってもらえると嬉しいですね。
ちなみに、今後は「キャプチャ機能」を積極的に活用していきたいですね。特に、再現率が100%ではない不具合のログをスクリーンショットとともに共有できる点が大きなメリットだと感じます。これにより、検証作業がよりスムーズになり、正確なフィードバックが可能になると期待しています。
また、リモート勤務が普及したことで、これまで出社しなければ対応できなかった作業を遠隔で行えるようになる点も魅力的です。開発・QA、双方の負担を軽減し、よりスムーズな検証環境を構築できるのではないかと思います。

ー もし、『DeployGate』のない環境で開発やテストを行うとしたら、どんな影響があると思いますか?

小山さん:QAの観点から見ると、現在のテスト体制に大きな影響が出るのは間違いありません。今は夜間に自動でリグレッションテストを実施できる環境が整っていますが、『DeployGate』がなければ手動テストの負担が増え、現場としてはかなり厳しい状況になります。
『DeployGate』ではリビジョン管理が可能なため、バージョンごとの変更点を追いやすくなっていますが、もしこれがないと、APKファイルを手作業でダウンロード・管理するという、まるで運搬業務のような作業が発生してしまうため、こうした手間の増加は避けたいですね。

渡部さん:開発者の視点で考えると、アプリを配布するだけなら他のサービスやGoogle Playといった選択肢もあります。
ただ、今のモバイルチームでは、日頃から細かな機能単位でテストを依頼するやり方をとっており、頻繁にテスト用アプリを配布する必要があります。このような背景から、Google Playはあくまでもリリース作業に伴う本番環境の配布ツールとして使い分けたく、テストのための手軽な配布ツールとして重宝しています。
そのため、代替サービスを探す手間を考えても、『DeployGate』なしでの開発・テストは正直かなり厳しいですね。

テストの自動化も『DeployGate』も必要な業務に注力するためには欠かせない

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ー テストの自動化にも取り組まれているとお伺いしています

小山さん:テストの自動化に取り組み始めたのは、今から約3年前です。当初の目的は、リグレッションテストの工数削減でした。毎月のテスト作業が少しずつ楽になっていく未来を想像しながら、自動化の導入を進めていたのを覚えています。
しかし、実際に運用を始めてみると、想定していたほどの工数削減の実感を得ることはできませんでした。月に一度のリグレッションテストの実施に合わせて、短期間でメンテナンスを終わらせる必要があり、自動化のメリットを十分に活かせていなかったのです。
そこで、単なる工数削減だけでなく、新たな目的を加え、自動テストのシナリオを大きく見直しました。特に、不具合の早期発見と手動テストの効率化を重視し、アプリ開発全体の品質向上につなげることを目指しました。

ー 実際にどのように改善されたのでしょうか?

小山さん:こちらの記事にも書かせてもらったのですが、リグレッションテストの自動化により、テスト実施時の工数削減が実現されました。具体的には、『Safie Viewer(PC版)』で約10時間、『Safie Viewer(モバイル版)』で約12時間、『Safie Manager』では約24時間の削減が確認できています。
これにより、手動テストにかかる負担が軽減され、テスト環境の効率化につながりました。特に、長時間かかるリグレッションテストの3割を自動化できたことで、QA側の作業負担を減らし、より柔軟なテスト運用が可能になりました。
ちなみになのですが、当初のテストの自動化の目的はリグレッションテストの工数削減でしたが、実際に運用していく中で、単に工数を減らすだけでなく、より重要な業務に集中できる環境が整いつつあります。
その結果、業務全体の負担も少しずつ軽くなってきました。

ー 結果として、より本質的な価値にも向き合えるようになったと

池田さん:そういった意味だと、『DeployGate』も同じ方向性で貢献していると感じますね。必要な業務に注力するために工数を削減するという点で、テストの自動化と共通する部分があるからです。
単に作業を減らすのではなく、本来取り組むべき業務にフォーカスできる環境を整えることが、これからの開発環境を作る上では重要になってくるのではないでしょうか。

自動化はあくまで手段、目指すのはもっと価値ある開発

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ーここまでお話を伺う中で、自動化が開発のスムーズな進行に大きく貢献していると感じました

渡部さん:そうですね。自動化は単に効率化を目的とするものではなく、開発に集中できる環境を作るために取り組んでいます。
たとえば2024年には、難易度の高かった開発としては、モバイルアプリで360度カメラの映像を閲覧するための3D デワープ機能の実装が挙げられます。また、ウェアラブルデバイス『Safie Pocket(セーフィー ポケット)』で行えるGPSデータの可視化を、API経由でモバイルアプリでも確認できるようにするなど、多機能なアプリ開発も進みました。
こうした高度な開発を可能にしているのが、自動化の取り組みです。新しい機能を開発する一方で、保守やメンテナンスにかかる工数は避けられません。リファクタリングの必要もあるため、可能な限り自動化を進め、本当に注力すべき部分に集中できる体制を整えています。

ー 今後の展望についてお伺いしたいです

小山さん:クオリティマネジメントオフィスでは、今年度から来年度にかけてテストの自動化をさらに推進し、改善業務にしっかりと時間をかけていく方針です。具体的な目標として、テストにかかる工数を25%削減し、不要なテストを減らして重要な部分に注力することを掲げています。
モバイルにおけるリグレッションテストの見直しを進めたところ、社内で最も自動テストが進んでいるプロダクトになりました。今後は、モバイルに限らず他のプロダクトにも自動化を広げ、さらに効率的なテスト環境を整えていきたいと考えています。
また、品質向上の観点から、リソース配分にも注力します。特に、新規プロダクトでは仕様変更が多く、上流工程からの品質保証活動や柔軟に対応できる手動テストは欠かせません。そのため、自動化によって生まれたリソースを改善や上流工程からの品質保証活動、手動テストに振り分け、品質のさらなる向上を目指していきます。

ー 『DeployGate』はどのような点で貢献できますか?

池田さん:先ほどの話にもあったスクリーンショット機能など、『DeployGate』はモバイルプロダクトにおける調査の効率化に大きく貢献できると思います。特に、不具合の再現性が安定しない場合、テスト工数が増えたり、チケットの起票に時間がかかることがあります。こうした場面で、スムーズに情報を提供できる仕組みがあると、テストの再現性向上や調査工数の削減につながるのではないでしょうか。
こうした細かな負担を軽減できる機能があることで、開発やテストがよりスムーズに進むと思いますし、『DeployGate』はセーフィーにとって、今後もなくてはならないサービスになるはずです。

ー 皆さま、お時間をいただき、ありがとうございました!